「温泉につかりながら、雪山を見たい」衝動にかられたので、
お出かけした。
とりあえず、北に。バイクの方位磁石の指す北に。
前にも書いたが、
おおざっぱな目的地の旅は、
人生っぽい。
方角だけ決めて、ひたすら走る。
行った先が行き止まりだったり、
道沿いに行ってたら、全然違う方向に続いてたりする。
ときに林道で迷う。マヨイ林道。
だいたい人生で出てくる看板もこんな感じだ。
勿論、すごそうなSUGOを選ぶ。だから人生楽しい。
なんやかんやで4時間わざとへんな道を選ぶことを続けたが、
いっこうに雪山の見える温泉が見当たらない。気温3℃。もう正直帰りたい。
ふいに。道ばたの途中、
「子宝の湯」という雪山の見えない温泉が僕を誘惑した。
「ここでこの温泉に甘んじるか、雪の山を探すか?」
「子宝に恵まれたいのはやまやまだが、先に彼女を探すのが先では?」
「彼女を探す前に、雪の山では?」
と、どうでもいい問答を繰り返しているうちに、
子宝の湯は通りすぎていった。
その後1時間温泉にありつくことは無かった。むしろマヨイ林道だ。
人生でも、チャンスを無駄な問答で通りすぎてしまうことがある。
あたりがやや暗くなってきたころ、2つの分かれ道があった。
一方には猿が「おまえ、じゃますんなよ?こっちくんなよ?」的な目線を送っている。
一方は明らかに山に向かっている。
もちろん猿にご迷惑をおかけできないので、山行きを選んだ。
もう夕方だ。帰りたい。でも、人は合理的に行動はしないものである。
きっと、山の向こうには雪の山の温泉があるのだ。
そう信じて。
これまでの温泉の中でも、上位に食い込む
遠くの農村から丸みえな感じの露天風呂が、最高だった。
もちろん、雪山に囲まれている。
しかも、夕焼けが山に反射して、山が真っ赤だ。ナイスタイミング。
空はまだ青い。飛行雲が三日月をかすめていく。
「いいっすね」と、知らん隣のおっさんに声をかけてしまう程だ。
おっさんの返答は「丸見えだなあ!」だった。
「ええ。そうっす。まるみえっぷりがいいっす。」
そうした楽しい露天風呂からの帰り道。
やはり湯冷めした。
美樹の里、おかんおとんが御用達。
返信削除風呂はいいけど、あまりに切ない休憩所はもったいない。
子宝の湯も行ったことあるよ。
美樹の里も子宝の湯もいいけど、
このあたりじゃ「ささゆりの湯」が一番っす!
たしかに休憩所が切なかったです。。。
返信削除落ち着かず。。
ささゆりの湯!?今週はそこにしてみようかと!